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イングランドにおけるCOVID-19ワクチン接種の展開期間中およびその後の、重度精神疾患を有する人々のSARS-CoV-2感染後の死亡率の不平等

MedXY Editorial Team•2026年9月25日•医療ニュース
COVID-19死亡率ワクチン接種健康格差重度精神疾患

要点

  • 重度精神疾患(Severe Mental Illness, SMI)を有する人では、SARS-CoV-2感染後の死亡率がパンデミックの全段階を通じて持続的に高く、ワクチン接種開始後もその傾向は認められた。
  • SMIを有する人における全死亡の調整ハザード比は、パンデミック初期の1.27から、ワクチン接種展開後には約1.55まで上昇し、著明な健康格差を示した。
  • 接種開始初期にはSMI群のワクチン接種率が非SMI群より高かったものの、研究終了時点での完全接種率はSMI群で有意に低く、死亡リスクの増大に拍車をかけた。
  • 本結果は、この脆弱な集団における持続する過剰死亡と低い接種率に対処するため、個別化された公衆衛生上および臨床上の戦略が急務であることを示している。

背景

COVID-19パンデミックは、統合失調症、双極性障害、統合失調感情障害などの重度精神疾患(SMI)を有する集団に不均衡な影響を及ぼした。パンデミック初期の先行研究では、SMIを有する人は、死亡を含む重篤なCOVID-19転帰のリスクが高いことが示されており、その背景には身体合併症、社会経済的困難、医療アクセスの格差、行動上の課題などが関与していると考えられた。しかし、効果的なワクチンの導入により一般集団におけるCOVID-19死亡は大きく減少し、パンデミック対応は変化した。ワクチン接種 अभियानがSMIを有する人の高い死亡リスクを軽減したのか、それとも健康格差がなお残存したのかは不明であった。Chilmanら(2026年)によるイングランドの大規模後ろ向き連結コホート研究は、これらの疑問に対し、パンデミック3段階にわたる集団レベルの最も包括的なエビデンスを提供している。

主要内容

研究デザインと対象集団

Chilmanらは、パンデミック前(2019年11月)にプライマリケアへ登録していたイングランド人口の99%超をカバーする連結電子カルテを活用し、2020年1月から2023年6月までにCOVID-19感染が確認された1,346万人を対象とした。コホートには、SMI(統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害、または精神病性情動障害)と診断された160,190人(1.19%)が含まれていた。死亡転帰(全死因およびCOVID-19特異的)とワクチン接種状況は、死亡登録および接種記録との連結により把握された。解析には、社会人口学的因子と臨床的併存疾患で調整したCox比例ハザードモデルを用い、WHOおよび英国政府の方針に基づき3つのパンデミック段階に層別化した。第1段階(接種前、2020年1月~9月)、第2段階(接種展開期、2020年10月~2021年7月)、第3段階(接種展開後、2021年7月~2023年6月)である。

パンデミック各段階における死亡リスクの傾向

SMIを有する人では、全段階を通じて、SMIを有しない人と比較してSARS-CoV-2感染後の全死因死亡リスクが一貫して高かった。調整ハザード比(aHR)は、第1段階で1.27(95%CI 1.22–1.32)、第2段階で1.56(1.51–1.61)に上昇し、第3段階でも1.55(1.50–1.59)と高値が持続した。このパターンは、ワクチン利用可能化によってSMI群の過剰死亡リスクが低下しなかったことを示している。実際には、ワクチン接種が進行した時期に相対リスクは増大した。COVID-19特異的死亡もSMI群で有意に高く、接種後にはある程度の減弱がみられたものの、なお高値であった(aHR 1.25、1.17–1.34)。

ワクチン接種率とその影響

ワクチン接種率は複雑な様相を示した。第2段階では、SMIを有する人の73.2%が接種を受けていたのに対し、SMIを有しない人では67.4%であり、精神疾患を含む脆弱集団を優先する方針を反映していた可能性がある。しかし、2023年6月までに完全接種率(追加接種を含む)は、SMI群で79.4%にとどまり、非SMI群の87.2%より低かった。これは、接種継続の維持に課題があることを示している。

この完全接種の遅れは、持続的な高死亡リスクの一因となった。ワクチンはSMIを有する人の死亡を部分的に軽減したものの、接種を考慮した後も高リスクは残存しており、併存疾患、医療受診の遅れ、社会的決定要因など、他の要因が転帰に影響していることが示唆された。

社会人口学的・臨床的関連因子

SMIコホートは平均年齢が高く(49.7歳対45.0歳)、性別分布は類似していた。人種・民族は主としてWhite Britishであったが、脆弱性に寄与する身体合併症の有病率はより高い可能性があった。調整モデルはこれらの因子を考慮しており、SMI自体が感染後死亡リスクを独立して予測することを裏づけた。

既存文献との統合

これまでのメタ解析およびコホート研究では、SMI集団におけるCOVID-19の罹患率・死亡率上昇が示されてきた。ワクチン導入前は、死亡リスクは感染対策の困難、代謝症候群、心血管疾患、医療提供の格差などに帰せられていた。ワクチン導入後のエビデンスは限られており、報告の多くは厳密な調整や集団レベルデータを欠いていた。本研究は、その規模と詳細さにより、ワクチン展開が格差にどのように影響したか、しかしそれを解消しなかったことを明確にした。

英国および国際データベースからの追加エビデンスも本結果と整合的である。特に、SMI集団におけるワクチン忌避とブースター接種率の低さは、制度的障壁、不信、あるいは認知機能・機能障害を反映している可能性がある。接種遵守の改善と対象を絞った医療サービスの強化が極めて重要である。

専門的解説

COVID-19ワクチン接種の前後を通じてSMIを有する人に過剰死亡が持続していることは、臨床上重大な懸念である。初期の接種優先対象であったにもかかわらず、格差が持続したことは、ワクチンの供給のみでは死亡格差を解消できないことを示している。

機序としては、慢性炎症、SMIにおける免疫調節異常、高い併存疾患負担が、ワクチン効果やCOVID-19の病勢進行に影響している可能性がある。認知的・社会的課題は、ヘルスリテラシー、適時の医療アクセス、予防行動の遵守を制限しうる。

現行の診療ガイドラインではSMIを有する人へのCOVID-19ワクチン接種が推奨されているが、転帰改善のためには、定期的な健康モニタリング、併存疾患の管理、対象を絞ったコミュニケーション戦略、社会的支援の強化を含む統合的アプローチが必要である。精神保健サービスは、公衆衛生およびプライマリケアと連携し、公平なワクチン供給とCOVID-19診療経路を確保しなければならない。

本研究の限界としては、残余交絡、SMI診断の誤分類の可能性、ワクチンの種類、追加接種回数、住居や就労などの社会的決定要因に関する詳細データの欠如が挙げられる。それでもなお、全国を網羅する包括性、最新のデータ、方法論的に厳密な解析により、その結論は説得力がある。

結論

本後ろ向き全国コホート研究は、イングランドにおける重度精神疾患を有する人が、SARS-CoV-2感染後に、COVID-19ワクチン接種展開前、展開中、展開後を通じて有意に高い死亡率を経験し続けていることを示す強力なエビデンスを提供する。初期には接種率が高かったものの、その後の完全接種率低下が、転帰における格差の持続に寄与した可能性がある。

死亡格差への対処には、SMIを有する人への接種率およびブースター接種率の向上、身体合併症の最適管理、医療アクセスにおける制度的障壁の除去を含む多面的戦略が必要である。政策立案者と臨床医は、この脆弱な集団に対する公平な予防的・治療的介入を優先すべきである。

今後の研究では、SMIにおけるワクチン反応のばらつきに寄与する機序、ワクチン接種行動の規定因子、COVID-19死亡格差を減少させる対象介入の有効性を検討する必要がある。

参考文献

  • Chilman N, Bécares L, Dregan A, Ronaldson A, Lewis J, Mizani MA, Das-Munshi J, CVD-COVID-UK Consortium. Inequalities in mortality following SARS-CoV-2 infection for people with severe mental illness during and following vaccination roll-out in England: a retrospective, whole-country linked cohort study. Lancet Psychiatry. 2026 Sep;13(9):761-770. PMID: 42586081. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42586081/
  • Wang Q, Xu R, Volkow ND. Increased risk of COVID-19 infection and mortality in people with mental disorders: analysis from electronic health records in the United States. World Psychiatry. 2021 Feb;20(1):124-130. PMID: 33355675.
  • Toubasi A, AbuAnzeh R, Obeidat N, et al. A meta-analysis: The mortality and severity of COVID-19 among patients with mental disorders. Psychiatry Res. 2021 Feb 1;299:113856. PMID: 33248189.
  • Kahl KG, Correll CU. Management of patients with severe mental illness and COVID-19 infection: Advances and challenges. World J Psychiatry. 2021;11(4):199-212. PMID: 33895805.
  • Lally J, et al. Uptake of COVID-19 vaccines among people with severe mental illness: a rapid review and meta-analysis. Br J Psychiatry. 2023;222(4):205-214. PMID: 36809554.

この記事は、制作工程の一部でAIを含む複数の編集ツールを使用して作成され、公開前に人間の編集者が内容を確認しています。

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